ビットコイン分裂問題！segwit2xが中止‼その理由とは？

世界中で大きな注目を集めていたビットコインのSegwit2xへのハードフォーク（分裂）問題ですが、十分な同意が得られなかったということで今回は中止になりました。

この記事ではSegwit2xってビットコインとどう違うの？そもそもなぜ分裂するの？という点を詳しく解説したいと思います。

常に分裂の危機を持ったビットコイン。何故分裂問題が起きるの？

ビットコインは2017年に入り3回の分裂がありました。
仮想通貨に詳しくない人はなぜ通貨が分裂するの？という疑問を持つかもしれません。
それはビットコインのシステムに問題があるためです。

2009年に運用が開始されたビットコインは、新しい通貨や経済システムの実験として誕生しました。
ビットコインを語る上で欠かせないブロックチェーンという技術は、取引の情報をブロックに保存して一定の時間が経ったらまた新しいブロックを作りチェーンのようにつなげていくことで、重複せずに情報を管理するというものです。
ビットコインの場合はひとつのブロックは1MBと定められており、最大で1秒間に7件の処理が可能です。
しかし急速に需要が高まった結果、当初予定されていた

処理速度や容量では対応できなくなるかもしれないので数年に渡り改善策が議論

されていました。

ビットコインを開発・運営している人だけでもたくさんの人数がいるため、その中でも意見の対立などが生まれるようになり「ビットコインキャッシュ」「ビットコインゴールド」の誕生につながったのです。

改めて今更聞けないハードフォークとは？

ハードフォークとはブロックチェーンの仕様を変えることで、互換性がなくなることを言います。
先ほども書いた通り、ブロックチェーンは取引の情報をつなげて記録を残します。
食器のフォークが柄は一本なのに平行に3本の線に分かれますよね、それに例えた呼び名です。
ハードフォークはある時点から以降を新仕様にしてデータの配列を分岐させることを言います。
たとえばひとつ1MBのブロックのサイズをいきなり大きくしたり、処理スピードを変えると旧式のやり方では取引できなくなってしまいます。
ちょうどテレビのアナログ放送とデジタル放送のように、とあるところからいきなり仕様が変わって旧式では対応できなくなることをハードフォークと呼びます。
ただ仮想通貨がテレビ放送と違うのは、旧式のやり方でもいいという人が投資を続ければ古いものと新しいもの両方が残ることですね。

対してソフトフォークは一時的にブロックチェーンが分裂してもとに戻ったり、全てのブロックの仕様を変更することを呼ぶため、旧式の仕様もそのまま使えます。
システムアップデートのようなものです。

分裂でもアップデートでも、システムが進化するなら良いのでは？といった声も聞こえてきそうですが、そうとも限らないのです。
その鍵を握るのはマイナー（採掘者）の存在です。

11月に控えたsegwit2xが今回は中止に！中止になった理由を大解明

そもそも

Segwit(セグウィット）とは簡単に説明すると、データを圧縮して多くの情報を記録して操作をしやすくする技術

のことです。
つまり同じ1MBのブロックでもデータを小さくすればより多くの決済が記録できるのです。
パソコンが重くなってきた時にデータを圧縮すると操作性が上がることとよく似ています。

さらにSegwit2x推進派は、ひとつのブロックを2MBにしてさらに多くの情報を保存できるようにしよう！と提案しました。
しかし、それにビットコイン開発チーム（ビットコインコア）は、

• ・Segwit2xプログラム自体に脆弱性があること

• ・リプレイアタックと呼ばれるハッキングへの対策がなされていないこと

などを理由にずっと反対してきました。

さらにビットコインや仮想通貨研究の最先端にいる人たちも、Segwit2xに批判的な姿勢をとっていました。

なぜこれほどまでに批判を受けていたかというと、このハードフォークはシステム改善ではなく投機目的のためだという見方が強かったからです。
8月にビットコインキャッシュが誕生した際に、多くの取引所がビットコイン保有者に同量のビットコインキャッシュを配布しました。
なにもしていないのにお金がもらえたようなもので、多くの投資家がこれにより利益を得ました。
「ビットコインが分裂すれば儲かる」これに目をつけたのが中国系マイナー企業です。
中国でICOが全面禁止になってから、沈静化していた中国の仮想通貨市場がこのニュースを見て通貨の分裂で資金調達をしようと目論んだのです。
その後香港のマイナー企業が先導してビットコインゴールドに分裂させ、多大な利益を生むことに成功しました。
そしてSegwit2Xを進めていたのは中国本土のマイナー企業です。
このやり方に賛同する人もいましたが、もちろん反対派も根強く存在していました。

これを受けて2017年11月9日、Bitgoの最高経営責任者はコミュニティの賛同を得られなかったとしてハードフォークを実施しないことを発表したのです。

ハードフォークが中止となり、ビットコインの値段がうなぎ上りになると予想

このニュースが報じられた後、ビットコインの値段は1BTC＝7700USDまで上昇しました。
その後も1BTC＝7882USDの最高値を更新しました。

分裂による新通貨獲得を望んでいた投資家からは落胆の声もあり、そういった人々がビットコインを手放したことで一時急落しながらも、現在はゆるやかな値動きを見せています。
Segwit2x推進派も、将来的にはハードフォークが必要になると開発を続ける姿勢を示しています。

しかし、Segwitはすでにビットコインキャッシュで実装されているため、今後しばらくはハードフォークのリスクはないだろうといった意見が大半を占めています。
今後ビットコインの情勢が安定すれば今後8000USDの壁を超えて、大台にのることも予想されます。